top title
BACK
5月8日
NEXT

絵の世界にいると、“個性”についての

様々な意見に出合いますが、

“どれくらい個性を味わえる”かどうかは

人間的成熟の度合いと比例する、と

私は考えるようになっています。

何故この点を強調するかというと、

巷にあふれる個性論議のほとんどは、

“わかり易い個性”についてである場合が

非常に多いと思うのです。

そうなった理由について語れば、

コピーとオリジナルの価値の問題や、

消費社会の新鮮な刺激としての需要と

結びついたなど、色々ありますが、

人間に対する洞察の浅い方の価値観が

一因である場合も多い気がします。

エキセントリックな個性などというものは

『個性』のほんの一部分に過ぎません。

一見地味で、平凡に見える人の中に

渋く光る個性を互いに見出し味わえる

社会であってこそ、文化的に成熟して

いるといえるのではないかと思います。

sketch703

NEXT
HOME